8月28日、サファリ最終日。
朝食を済ませ、朝のサバンナへ出発。
今日のサバンナで最初に見たのは、アフリカハゲコウ。
近くで見るとびっくりするほど大きいです。翼を広げると2mもあるそう!
旦那が「蓑(みの)を着たおじいさんみたい。」だって。なるほど、似てるかも。昔話に出てきそう。
しばらく行ったところで、何かの動物の死骸を、ハイエナと、ハゲワシ、ハゲコウで奪い合っているところに出くわしました。
ハイエナが食べているときはハゲワシとハゲコウがうらめしそうにそばで待っていて、
ハゲワシとハゲコウがついばんでいるときは、その逆。
サバンナの動物たちにも、彼らなりのルールがあるようです。
そこへ、車の無線が入りました。
ドライバーさんがまた、何かの情報をキャッチし、大急ぎでその場所へ向かい始めました。今度は何だろう?!
川にはまだ遠いし、ヌーの川渡りではないはずなんだけど…
しばらく走っていると、他の車もどんどん集まってきました。
前も後ろもたくさんの車が連なって走っています。
10台以上の車が集まっている場所に到着。
そして草原の中に見えてきたのは…一匹のオスライオンが悠然と歩く姿でした。
ライオンの目の前を、たくさんのヌーとシマウマの群れが、ものすごい勢いで走っています。
みんな、必死にライオンから逃れようとしています。
オスライオンが、逃げ惑う群れに飛び込んで、この中の一匹が犠牲になってしまうシーンを想像していたのですが…
無事、群れは全て逃げ切ることができました。
オスライオンは、別に襲う気はないよ、とでも言いたげに、静かに草むらの中に消えて行きました。
サバンナの動物たちにとっては、毎日が生存競争。1日1日を生き延びるのに必死です。
そして今日も、マラ川にやってきました。
ヌーがよく川渡りをするポイントです。
しかし、今日もヌーの姿は見当たりませんでした。
ドライバーさんが、いくつか川渡りのポイントを回ってくれましたが、ヌーはいません。
無線でも川渡りの情報は得られず、今日も川の周辺にはヌーの群れが現れることはありませんでした。
また、車の無線が入りました。ドライバーさんがその場所へ急行します。
あとからあとから、無線を聞きつけた車が集まって来ました。
チーターの食事のシーン。
今回の旅行のサファリでラストに見ることができたのは、弱肉強食の野生動物の世界でした。
絶対に見れると信じて疑わなかった、ヌーの川渡り。
しかし大自然の営みの中で起こることは、誰も予想がつきません。
近年、気候変動などの影響で、川渡りの時期がなかなか読めなくなってきているそうです。
直近で最後にヌーが川渡りをしたのは、先週だったとのこと。
川渡りのシーズンといわれているこの時期でも、予想通り見ることは難しいのかもしれません。
帰りの道の途中で、昨日は何もいなかったエリアに、ヌーの群れが集まっていました。この群れは川に向かい移動していて、3、4日後には川に着くのだそうです。
私たちが帰った数日後には、このヌーの群れが川に到着し、命がけの壮絶な自然のドラマが繰り広げられるのでしょう。
今回はヌーの川渡りを見ることができませんでしたが、残念、という言葉は使わないでおこう。
なぜなら、ベテランのドライバーさんとガイドさんのおかげで、本当に充実した旅行だった。なかなか遭遇できない珍しい動物にもたくさん会うことができた。そして何より、一度は来てみたいと思っていたアフリカ旅行も、たくさんの思い出と共に、無事に終えることができそうだ。
ロッジへ帰る道のり、夕暮れのサバンナを眺め、車に揺られながらそんなことを考えていた。
また次に来る理由が見つかったね、また来よう!と旦那。私と娘はそうだね、と頷いた。