トラベル

ケニアでのサファリ、旅の終わりに

 

雲の隙間からサバンナを照らす朝日

 

翌日、私たちはケニアをあとにした。

私はこの旅行で、壮大な自然の営みを目の当たりにし、自分の中で何かが大きく変わったと感じている。

それが何であるか、今ははっきりとは分からないが、自分はこの大自然の中で生かされている、そういう感覚を得たのだけは確かだ。

それは都会のアスファルトの中では、きっと分からなかったことだと思う。

 

日本に帰国してすぐに、ボツワナで90頭近くのゾウが密猟の犠牲になったというニュースを知り、胸を痛めた。象牙を狙った密猟だ。

耳を塞いでしまいたくなるようなニュースだった。ゾウの群れの、ほのぼのとした幸せそうな光景を見てきたばかりだというのに。本当にいてもたってもいられなくなった。

 

こんな遠い日本から何かできることがあるのかは分からない。

だがとりあえず、一人一人が確固としたポリシーをもって毎日を過ごしていく、まずはそういった小さな行動から始めるしかないのかもしれない。

誰かを傷つけてまで、犠牲にしてまで欲しいものなんか何もない。誰かを踏み台にして着飾ったり贅沢しても、ちっとも美しくないし、楽しくもない。

象牙を欲しいと思う人、買いたいと思う人がいなければ、90頭のゾウだって犠牲になることはなかったはずだ。

 

人間って自然が意のままになると勘違いしてしまうようだ。

いつかそれは、自分たちにかえってきてしまうとも知らずに。

 

きっと私はこれからもアフリカや、野生動物のニュースを耳にするたび胸を痛めたり、映像を目にするたびに遠い国の光景に思いを馳せ、懐かしく思うのだろう。

そしてそのうち、いつの日かまた絶対に、ヌーの川渡りを見るために、訪れたいと思っている。

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